毛穴の角栓を押し出すとニュルッと出てきて気持ちいい。パックでごっそり取れた角栓を眺めるのが楽しい。
でもそれ、あなたの毛穴の角栓トラブルを悪化させている原因かもしれません!と言われたら、ドキッとしてしまう人も多いのでは?
今回は30代からの黒ずみ、ニキビの原因になる毛穴の角栓との付き合い方についてお話ししていきたいと思います。
毛穴の角栓の正体は脂じゃなくてタンパク質
角栓って押し出せばニュルッと出てくるので、油分の塊のように思いますよね。
確かに毛穴の角栓には皮脂が含まれていますが、主成分はタンパク質。肌表面の古い角質が剥がれ、毛穴に入り込んで皮脂と混ざって角栓になります。
タンパク質汚れは落としにくい汚れで、洗濯でも血液が衣服につくと、洗剤を使っても落ちにくいですよね。オイルクレンジングで毛穴の黒ずみをケアするという方法が有名ですが、オイルクレンジングのように油分豊富なアイテムを使っても、角栓が溶けることはありません。
そもそも、角栓=悪というわけでもないんです。
毛穴から飛び出るほどの角栓はケアするべきですが、肌のターンオーバーが正常に行われていれば、角栓はある程度成長すると自然に排出されるものです。
- 乾燥で毛穴まわりの角質が固くなり、毛穴から角栓が排出しづらくなる
- ターンオーバーが乱れて、排出されずに角栓が成長を続ける
このように角栓が毛穴に詰まる、毛穴から飛び出して酸化するのが毛穴の黒ずみやニキビの原因になります。
つまり、毛穴の角栓ケアで必要なのは、角栓を詰まらせない・成長させないこと!無理に取り除く、というのは間違った毛穴・角栓ケアなんです。
毛穴の角栓、間違ったケアは黒ずみ悪化の元
間違った毛穴ケア、控えるべきケアをまとめてみます。
- ピンセットで角栓を取り除く
- 毛穴パック
- オロナインパック
- エクストラクション
エクストラクションとは、フランスのエステサロンで行われる毛穴の角栓除去方法です。指で皮膚をつまみ、角栓をニュルッと取り除きます。自宅でも真似できそうですし、エステで行われているということで効果が高そうに思いますよね。
しかし、エステではスチームを肌に当てたり、オイルでマッサージしたり…と、必要なケアを行った上で角栓を取り除きます。自宅でも同じようにしっかり事前のケアを行えば、効果的に角栓を取り除けるかもしれませんが、そもそも日本人の肌質と西洋人の肌質は違うので、日本人の肌には合わない可能性も。
ピンセットやコメドプッシャーのように、日本でも道具を使った角栓除去方法がありますよね。角栓をニュルッと押し出す、と聞くと気持ち良さそうですが、毛穴から角栓を無理やり取り除くと、毛穴がますます開いてしまいます。また、毛穴まわりの角質を傷つける可能性も高いです。
毛穴パックも同じで、パックが肌表面の角質まで取り除き、肌の乾燥が進んでますます皮脂が分泌するようになり、角栓が成長しやすくなります。
オロナインパックは、医薬品のオロナインをスキンケアに使うこと自体間違っていますし、オロナイン自体には角栓を取り除く成分は含まれていません。オロナインを使っても肌は保湿されませんし、逆にたっぷり塗布すると刺激が心配です。
ネットには他にも毛穴の角栓の自己流ケア、というものがわんさかあります。カミソリで剃る、綿棒で押し出すなど、様々な方法がありますが、安易に真似しない方が良いでしょう。
毛穴の角栓、どうやってケアするべき?
角栓もケアのポイントはメラニンと同じ
角栓もターンオーバーが整っていて、肌の油分と水分のバランスが整っていれば、育ちすぎずある程度育ったら自然に排出されます。
メラニンも同じで、肌内部で作られたメラニンはターンオーバーで古い角質と一緒に剥がれ落ちるのです。メラニンは過剰に作られると排出が追いつかなくなるので、UVケアをしたり美白化粧品でメラニンの過剰生成を抑えますよね。
角栓も同じように、皮脂分泌が過剰にならないように保湿ケアを丁寧に行います。さらに、ターンオーバーが乱れないように生活習慣を整え、肌の新陳代謝を促す栄養を食事や美容液で取り入れることが大切です。
角栓=取り除く、というより排出されやすいようにすることを頭にいれてケアを始めてみましょう。
保湿ケアで角栓が取れやすい柔らかい肌に
肌が乾燥すると毛穴まわりの角質が固くなり、角栓が詰まって排出されにくくなります。保湿ケアで潤った肌は、毛穴まわりの角質が柔らかい状態をキープできるため、角栓が詰まりにくく、ニキビの予防にもなります。
普段のスキンケアではつい忘れがちな鼻周りを、コットンパックで集中保湿してみてください。いつも通り化粧水で保湿したあと、コットンに化粧水を浸して鼻を2〜3分ほどパック。パックのあとは美容液を塗り、乳液やクリームを塗って保湿完了です。
ビタミン配合美容液で代謝サポート
美容液はビタミン類が配合されたものを選んで使ってみてください。保湿、美白美容液どちらでも、ビタミンA、B群、C、Eが配合されたものを使い、肌の代謝をサポートします。
特に30代、40代と年齢を重ねるにつれてターンオーバーの周期は長くなり、乱れやすいのでサポート作用のある栄養を美容液で手軽に取り入れましょう。
食事でも、ビタミン類が豊富な野菜、フルーツを積極的に摂り、皮脂を過剰分泌させるスナック菓子やチョコレートなどの甘い菓子、インスタント食品、ファストフードはできるだけ避けてください。
週に1回角栓の集中ケアで黒ずみ予防
角栓は余分に成長すると酸化して黒ずみ、また詰まるとニキビの原因になります。特に毎日メイクをする人やオイリー肌、混合肌の方は週に1回角栓の集中ケアをして、角栓の詰まりを防ぎましょう。
オイル綿棒とクレイパックで角栓お掃除
- 湯船に10分〜20分浸かって毛穴を開く
- 綿棒にオイルをたっぷりつけ、力を入れず優しく小鼻、鼻を円を描くように撫でる
- 主成分がクレイの洗い流すパック、またはスクラブを鼻にたっぷりのせて5分ほどパック
- ぬるま湯でパックを優しく洗い流し、毛穴引き締め作用のある化粧水でコットンパックしてから保湿ケアをする
毛穴の角栓を詰まらせないメイクをしよう
毛穴の開き、黒ずみが気になる人は毛穴専用の下地やカバー力の高いファンデーションを使いますよね。私も毛穴の開きに効果的なコスメはついつい買ってしまいます。
隠すメイクが悪いわけではありませんが、毎日毛穴を隠すハイカバーなコスメを使うのは、毛穴に角栓が詰まる原因になるので要注意です。
毛穴を埋めるようにカバーする下地やファンデーションは、シリコン類が高確率で配合されています。カバー力は高いですが、落ちにくく、毛穴に詰まると皮脂や角質と混ざって角栓が大きくなるのです。
メイクをしっかり落とすために洗浄力が強いクレンジングを使い続けるのも、乾燥の原因になります。毛穴トラブルは気になっても、ハイカバーなメイクは特別な日限定にして、しばらくは落としやすい肌負担の少ないコスメでメイクしましょう。
普段は落としやすいミネラルコスメ中心、特別な日はハイカバーコスメ、というふうに使い分けます。メイクでカバーしてごまかすのではなく、毎日のスキンケアと週1回のスペシャルケア、規則的な生活習慣で角栓と毛穴トラブルに向き合っていきましょう。

無理な毛穴角栓ケアは卒業!地道なケアこそ美肌への近道
角栓を無理やり取り除くケアは、手っ取り早く解消するように見えて、実はトラブルをますます悪化させる原因になるのです。
毛穴専用コスメでメイクしてカバーしても、メイクもまた角栓が詰まる原因に。取り除くケアだけに気を取られずに、基本的な保湿ケアと定期的な集中ケア、そしてターンオーバーの乱れを防ぐ規則正しい生活習慣。
この3つこそが角栓による毛穴トラブルを解消させる方法なんです。